イソフラボンとアスピリンは一緒に摂取していいの？

イソフラボンとアスピリンの飲み合わせによる弊害はほとんどない

イソフラボンは天然の栄養素で、大豆以外にも豆腐や納豆、味噌、醤油などの大豆の加工品や豆類であれば、イソフラボンを含有しています。
そのため、日本人は普段の食生活でイソフラボンを比較的多く摂取しています。
これらの食品を食べて、アスピリンによる副作用が出たといった報告はありません。
また、大豆のイソフラボンのサプリメントとアスピリンを一緒に摂取したことで、健康被害が出たといった報告もありません。(2018年時点)

イソフラボンもアスピリンも、鎮痛、抗炎症作用があります。
どちらも同じ仕組みで鎮痛、抗炎症作用を発揮するので、一緒に摂取しても大丈夫です。

アスピリンとは

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アスピリンは、本来は商品名で、成分としての正式名称はアセチルサリチル酸です。
しかし、日本ではアセチルサリチル酸をアスピリンと呼んでいます。
アスピリンは関節炎や神経痛、腰痛、筋肉痛、痛風、手術後などの痛みや炎症を抑制します。
また、血小板の凝固作用を阻害する作用があるため、脳梗塞や虚血性心疾患の予防薬としても使用されます。

アスピリンの作用

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アスピリンは、必須脂肪酸のアラキドン酸を酸化させプロスタグランジンを生成する、シクロオキシゲナーゼという酵素をアセチル化し、その作用を阻害する効果があります。
プロスタグランジンは、体の生理機能に様々な生理活性を与える情報伝達物質です。
プロスタグランジンは様々な種類があり、それぞれ活性機能が異なります。
主な作用として、血圧の低下、血小板の凝固作用、平滑筋の収縮、末梢血管の拡張、発熱・痛覚の伝達、骨新生などです。

アスピリンの副作用

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アスピリンは、その作用の過程で胃の粘膜の分泌を抑制してしまうため、胃に障害が出る場合があります。
また、人によっては、アスピリン喘息と呼ばれる喘息の症状が出る場合があります。
さらに、出血が止まらなくなったり、下痢、吐き気をもよおしたりすることがあります。

イソフラボンもアスピリンと似た作用がある

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イソフラボンは、大豆をはじめとしたマメ科の植物に含まれる栄養素で、ポリフェノールの一種のフラボノイドに属するイソフラボン類の総称です。
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと分子構造が似ており、植物エストロゲンと呼ばれ、体内でエストロゲンの代用として機能します。
また、体内で発生する有害な活性酸素を除去する抗酸化作用や、他にも様々な生理活性をもっています。

イソフラボンもシクロオキシゲナーゼを阻害する

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生理活性物質のプロスタグランジンは、アラキドン酸をシクロオキシゲナーゼが酸化することで生成されます。
イソフラボンは抗酸化物質として、シクロオキシゲナーゼによるアラキドン酸の酸化作用を阻害し、プロスタグランジンの生成を抑制します。
そのため、イソフラボンを摂取してもプロスタグランジンの発生を阻止し、炎症や鎮痛効果を発揮します。

イソフラボンとアスピリンは血栓を予防し血行を促進する

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アスピリンは血小板の凝固を抑制する作用があるため、血栓を予防し血行を促進する効果があります。
イソフラボンもプロスタグランジンの発生を抑えるため、アスピリンと同じ作用を持っています。

また、イソフラボンはドロドロ血液の原因となる悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの分泌を抑制する作用があります。
LDLコレステロールは、血管内壁に付着すると、血栓を作ってしまいます。
一方、イソフラボンは血中のLDLコレステロールを回収し、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールを増やす効果もあります。
その結果、血栓の予防ができ、血行を促進します、

まとめ

イソフラボンは栄養素なので、医薬成分であるアスピリンと一緒に摂取してもお互いの作用を打ち消すことはありません。

アスピリンもイソフラボンも、シクロオキシゲナーゼの作用を阻害し、プロスタグランジンの生成を抑制する作用があるため、鎮痛、抗炎症、抗血小板作用があります。

アスピリンは医薬品なので即効性がありますが、副作用も多くあります。
一方、イソフラボンは栄養素なので、続けて摂取することで徐々に効果を発揮し、アスピリンのような強い副作用はほとんどありません。
アスピリンを服用している人は、イソフラボンを併用し、徐々に体質を変えることで、薬に頼らずに鎮痛や抗炎症、血行促進が得られるようにするのが望ましいと言えます。