イソフラボンで骨粗しょう症改善
イソフラボンは骨粗しょう症を改善する
更年期を迎えた女性で怖いのが、骨がスカスカになり脆くなる骨粗しょう症です。
大豆に多い栄養素として知られるイソフラボンは、骨からのカルシウムの流失を抑える作用があるため、骨粗しょう症の予防や改善に効果があります。
エストロゲンは骨の新陳代謝に関わる
女性ホルモンのエストロゲンは、女性の新陳代謝(※1)に関与します。
カルシウムの塊と思われる骨も、実は毎日新陳代謝を繰り返しています。
古い骨を分解し、常に新しい骨に入れ替えることで骨の丈夫さや、骨量(骨に含まれるカルシウムの量)を一定に維持しています。
エストロゲンは骨の新陳代謝にも関与し、骨の生産を促進する一方で、骨の分解を緩やかにする作用があります。
しかし、女性は更年期(※2)を迎えると、卵巣で生産される女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減り、閉経(※3)を迎えると卵巣でのエストロゲンの生産は停止します。
すると骨の新陳代謝が低下し、新しい骨の生産よりも古い骨の分解の方が多くなり、骨量を保つのが難しくなります。
その結果、骨のカルシウムの流失が増え、骨粗しょう症になりやすくなってしまいます。
(※1) 新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を正常に保つ生理現象のこと。
(※2) 閉経の前後5年ほどの期間。
(※3) 加齢によって月経がなくなること。
イソフラボンの骨粗しょう症の予防・改善効果
イソフラボンはエストロゲンの代用として骨の新陳代謝を正常化
イソフラボンは分子構造がエストロゲンと似ており、エストロゲン様物質として、体内でエストロゲンの代用として機能します。
イソフラボンを摂取すると、更年期で減少したエストロゲンの代用として骨の新陳代謝を改善し、正常化する作用があります。
その結果、骨からのカルシウムの流失が抑制され、新しい骨の生産が活性化するので骨粗しょう症の予防や改善に効果を発揮します。
イソフラボンは骨を丈夫にする
骨の主成分はカルシウムですが、他にも様々な成分で構成されており、骨に柔軟性を与えるのがコラーゲンです。
イソフラボンはエストロゲン様物質としてコラーゲンの生産も活性化するので、丈夫な骨が作るサポートとして活躍します。
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また、2010年に国立健康・栄養研究所が行った分析では、閉経後の女性に、1日の上限とされる76mgのイソフラボンを、半年から1年に渡り継続摂取させた統計があります。
その報告書では、閉経後の女性の骨密度の維持に、イソフラボンが有用であるという見解が示されています。
骨粗しょう症対策にはイソフラボン以外に、骨の原料となるカルシウムやマグネシウム、カルシウムの吸収や骨への沈着を促すビタミンDやビタミンKの摂取も必要です。
更年期を迎え骨粗しょう症が気になる方は、ぜひ普段の食生活にイソフラボンを取り入れてください。