イソフラボンと豆乳の飲み合わせは?
イソフラボンと豆乳を一緒に飲むのはよくない
豆乳は、イソフラボンを多く含む飲料として知られています。
イソフラボンの効果を多く得るために、豆乳と共にイソフラボンのサプリメントを一緒に摂取すると健康効果は高まるのでしょうか?
実は、この組み合わせはあまりお勧めできません。イソラボンの過剰摂取に繋がるからです。
イソフラボンは摂取の上限がある
イソフラボンは必須栄養素ではないので、1日に必要な摂取量は設けられていません。
しかし、一般にイソフラボンの効果を得るには、1日当たり50mgの摂取が目安量とされています。
一方、イソフラボンは分子構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ており、過剰摂取は乳がんや子宮筋腫、乳幼児や小児の急性白血病のリスクが指摘されています。
そのため、摂取に上限が設けられています。
内閣府食品安全委員会が2006年に策定した「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全評価の基本的な考え方」では、1日当たり70~75mgを摂取の上限としています。
豆乳はイソフラボンが豊富
豆乳は大豆の加工食品なので、大豆に多いイソフラボンも豊富です。
イソフラボンには分子に糖が結合したグリコシド型イソフラボンと、糖が分離したアグリコン型イソフラボンがあります。
豆乳に多いのは、グリコシド型です。
アグリコン型、グリコシド型について詳しくはこちら
→大豆イソフラボンの種類
現在、食品のイソフラボン量を計るには、全てアグリコン型に直して計算されます。
豆乳コップ1杯(200ml)あたりのイソフラボンの含有量は、実に52.1mgにもなります。
つまり、コップ1杯の豆乳で、1日に必要なイソフラボンの目安量を摂取できるのです。
サプリメントのイソフラボンの目安量は30mg
私たち日本人は大豆以外にも、豆腐やみそ、醤油などの大豆加工品や豆類を欧米人に比べ比較的多く摂っています。
これらの食品にもイソフラボンが含まれています。
日本人は日常的に普段の食事で、アグリコン型イソフラボンに換算して1日当たり15~22mgのイソフラボンを摂取しています。
そのため、イソフラボンの効果が得られる50mgに到達するために、サプリメントでの摂取量は30mgに設定されている場合が多くあります。
豆乳とサプリメントでは過剰摂取になる
豆乳1杯で1日のイソフラボンの目安量に到達し、これに他の食品に含まれるイソフラボンを合わせると、ちょうど摂取の上限に収まります。
しかし、豆乳にイソフラボンのサプリメントを加えると、摂取の上限をはるかに超えてしまいます。
そのため、豆乳を毎日の健康維持に取り入れているのであれば、敢えてイソフラボンのサプリメントを摂取する必要はありません。
豆乳は女性の健康維持に最適な飲料
豆乳は低カロリー、高たんぱくな飲料として知られています。
しかも、イソフラボン以外に、ビタミンB群やビタミンE、ビタミンKを多く含み、カリウムやマグネシウム、リン、カルシウム、鉄などの必須ミネラルも豊富です。
これらの栄養素は、イソフラボンの美容効果や、ホルモンバランスの調整、更年期障害の緩和といった健康効果を後押しします。
低カロリーで栄養豊富な上、イソフラボンを多く含む豆乳は、健康をサポートする優良な食品と言えます。
まとめ
豆乳はイソフラボンが多く含まれており、コップ1杯でイソフラボンの効果が実感できる50mg以上を摂取できます。
イソフラボンの過剰摂取は健康上問題があるため、豆乳とイソフラボンのサプリメントを同時に摂取すると、1日の摂取の上限である70~75mgを超えてしまいます。
サプリメントはあくまで、普段の食生活では足りない栄養素を補うものです。
イソフラボンは適度に毎日摂取することで健康をもたらす栄養素なので、健康維持に豆乳を毎日飲んでいる方は、イソフラボンのサプリメントは必要ありません。