イソフラボンと一緒に摂りたいビタミンK2
イソフラボンとビタミンK2は相乗効果がある
女性の美容やアンチエイジングに効果があり、大豆に含まれる天然の栄養素として人気の高いイソフラボン。既にサプリメントなどで愛用している方も、多いと思います。
イソフラボンと一緒にぜひとって頂きたい栄養素が、ビタミンK2です。
他のビタミン類と比べあまり馴染みのないビタミンK2ですが、私たちの体に必要不可欠な役割があります。
ビタミンK2を一緒に摂ることで、特にイソフラボンでアンチエイジングを目指す人に対して、嬉しい相乗効果を発揮します。
ビタミンKとは
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ビタミンKは脂溶性のビタミンで、体内で合成ができない必須栄養素の一つです。
ビタミンKは、ビタミンK1~K7まで存在しますが、自然界に存在するのはビタミンK1とK2の2種類だけです。ビタミンK1とK2は、それぞれ効果が異なります。
ビタミンK1は、傷を塞ぐ血液凝固作用があります。
一方、ビタミンK2は骨へのカルシウム沈着と、その分解の抑制作用があります。
また、ビタミンKは他にも様々な生理活性を持っています。
ビタミンKが多い食品
ビタミンK1は、植物の葉緑体で合成されるため、必然的に緑色の濃い野菜や藻類、茶などに多く含まれます。
一方、ビタミンK2は微生物が生産し、圧倒的に多いのが納豆です。
また乳製品にも含まれますが、含有量はごく僅かです。
体内にはUBIAD1という酵素が至る所にあり、ビタミンK1をビタミンK2に変換します。
そのため、普通の食事をしていれば体内でビタミンK2不足になることはありません。
イソフラボンとビタミンK2の相乗効果
イソフラボンは、体内でエストロゲンの代用となる植物エストロゲンの作用と、体内で発生する有害な活性酸素(※1)を除去する抗酸化物質としての作用を併せ持っています。
ビタミンK1もK2も、共に体の機能の維持に必要ですが、イソフラボンと相性が良いのはビタミンK2です。
イソフラボンとビタミンK2がどのような相乗効果を発揮するのか、詳しく見てみましょう。
(※1) 活性酸素とは、酸素が変質した悪性の酸素のこと。組織を破壊したり、物質を変質させたりする作用があります。
骨粗しょう症の予防
骨粗しょう症の原理
骨粗しょう症は、体内で女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少することで、骨のカルシウムの分解が進み、骨密度が低下して脆くなる症状です。
骨は新陳代謝(※2)を行っており、成長と分解を日々行い、正常であればそれが拮抗しています。
女性ホルモンのエストロゲンは、男女共に骨を作り出す骨芽細胞を活性化し、骨を分解する破骨細胞を抑制する作用があります。
しかし、更年期でエストロゲンの生産量が低下すると、骨芽細胞の機能が低下し、破骨細胞の活動が促進されるので、骨からのカルシウムの流出が止まらず骨粗しょう症のリスクが高まります。
(※2)新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えること。
イソフラボンとビタミンK2は骨の形成を促進する
イソフラボンは植物エストロゲンとして骨芽細胞と破骨細胞に働きかけ、その機能を正常に戻す効果があります。
また、ビタミンK2は体内に吸収したカルシウムを骨へ沈着させ、その分解を抑制する作用があります。
イソフラボンとビタミンK2の相乗効果で、骨密度が高まり、骨粗しょう症を予防できます。
アルツハイマー型認知症の予防
アルツハイマー型認知症は、脳内で発生した活性酸素が脳の神経細胞を破壊し、脳が委縮して記録障害や学習障害を起こす症状です。
ビタミンK2はアルツハイマー型認知症と関連があることが予想されている栄養素です。
アルツハイマー型認知症の患者は、健常者に比べ脳内のビタミンK2や、ビタミンK2合成酵素が著しく低下していることが確認されています。
ラットを使った実験では、ビタミンK2は中枢神経の再生を促す作用が確認されています。
イソフラボンも、アルツハイマー型認知症の予防に効果が確認されている栄養素です。
イソフラボンは植物エストロゲンとして脳細胞のエストロゲン受容体と結合し、学習能力を改善することが、ラットを使った動物実験で明らかになっています。
糖尿病の改善
糖尿病は高血糖が続くことで、インスリンが供給過剰になり、細胞のインスリン受容体の感度が低下することで発生します。
この状態を、インスリン抵抗性が高い状態と言い、2型糖尿病に分類されます。
厚生労働省研究班が米国栄養学会の学術誌「Journal of Nutrition」に発表した内容によると、イソフラボンはインスリン抵抗性を改善する効果が認められるとしています。
また、ビタミンK2にもインスリン抵抗性を改善し、2型糖尿病に対する有効性を示す研究報告があります。