イソフラボンとワーファリンは一緒に摂っていいの?
イソフラボンとワーファリンは相性が良い
大豆の天然の栄養素として知られるイソフラボンは、美容やホルモンバランスの調整、生活習慣病の予防などの効果があります。
ところで、高血圧の人の中には、医者から血液凝固抑制剤のワーファリンを処方されている方がいます。医薬品は他の成分と一緒に服用すると、その効果が増強したり、或いは阻害されたりするため服用に注意が必要です。
イソフラボンはワーファリンと相性が良く、血液をサラサラにする効果を高めます。
ただし、イソフラボンを豊富に含む納豆は、ワーファリンの作用を阻害してしまうので注意が必要です。
ワーファリンの生理作用
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ワーファリンは、血液を凝固させる必須栄養素のビタミンKの作用を阻害することで血流を促進し、血栓の形成を予防する医薬品です。
そのため、ワーファリンは心筋梗塞や脳梗塞、静脈血栓症、脳血栓症などの治療や予防に使用されます。
イソフラボンはワーファリンの作用を阻害しない
イソフラボンが作用するのは骨と関係するビタミンK2
イソフラボンは、ビタミンKの働きと相関関係がある栄養素です。
しかし、それはK1、K2と2種類あるビタミンKのうち、骨へのカルシウムの沈着を促すビタミンK2への作用です。血液凝固因子として作用するビタミンK1の方ではありません。
そのため、イソフラボンとワーファリンを一緒に摂取しても、ワーファリンの作用を阻害しません。
イソフラボンはワーファリンと共に血栓を予防する
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血中に悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールが増えると、血管内壁に付着して血栓を作ります。
イソフラボンはLDLコレステロールの分泌を抑制し、血中のLDLコレステロールを回収し、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールを増やす効果があります。
そのため、血液がサラサラになり、ワーファリンと共に血栓ができにくい体質が作れます。
イソフラボンが豊富な納豆はワーファリンの効果を阻害する
実は、納豆はワーファリンの作用を阻害することが知られています。
納豆はイソフラボンが豊富
健康に良いとされる納豆は100gあたり、アグリコン型イソフラボンに換算して73.5mgのイソフラボンを含有しています。
一般に、イソフラボンの効果を得るには1日当たり50mgの摂取が必要と言われているので、朝晩に納豆を1パック(50g)摂取すれば、かなり近い数字が得られます。
納豆はビタミンKもずば抜けて多い
実は、イソフラボンの多い食品である納豆は、ビタミンKもずば抜けて豊富な食品です。
納豆100gあたり、ビタミンKの含有量は600μgで、成人男性が1日に摂取が必要な目安量の4倍に相当します。
納豆のビタミンKがワーファリンを阻害する
ワーファリンは、普段の食生活で摂取するビタミンKの目安量をもとに、効果が設定されています。
そのため、納豆1パック(50g)で、ビタミンKを1日の目安量の2倍も摂取する計算になり、ワーファリンの効果を打ち消します。
ワーファリンを処方されている方は、納豆によるイソフラボンの摂取は避けてください。
まとめ
ワーファリンは、血液凝固因子であるビタミンK1の作用を阻害して血栓を予防する医薬品です。
イソフラボンは、骨へのカルシウムの沈着を促すビタミンK2との相互作用はありますが、血液凝固因子のビタミンK1との関連はありません。
また、イソフラボンは血中コレステロールを減らす作用があるため、ワーファリンと共に血栓予防に効果があります。
しかし、納豆でイソフラボンを摂取した場合、納豆に豊富なビタミンKがワーファリンの効果を打ち消してしまいます。ワーファリンを服用している方は、納豆からのイソフラボン摂取は避けてください。