イソフラボンの化粧品の効果は?
イソフラボン配合の化粧品ではイソフラボンの美容効果は発揮されない
イソフラボンは女性のホルモンバランスを整え、美容効果があることで人気の栄養素です。
そのため、巷ではイソフラボン配合の様々な化粧品が販売されています。
しかし、イソフラボンを化粧品に配合しても、イソフラボンの美容効果が発揮されることはほとんどありません。
イソフラボンに美容効果がある理由
イソフラボンは、女性の美容に重要な新陳代謝(※1)を活性化する作用と、紫外線などから肌を守る抗酸化物質としての作用を併せ持っています。
女性の場合、肌や頭髪の新陳代謝には、女性ホルモンのエストロゲンが関与しています。
イソフラボンは分子構造がエストロゲンと似ており、エストロゲン様物質として、体内でエストロゲンの代用として機能します。
そのため、イソフラボンを摂取すると新陳代謝が活性化し、若々しい肌や髪を保てます。
また、肌が紫外線を浴びると真皮層(※2)に活性酸素(※3)が発生し、皮膚やコラーゲンの劣化を招き、シミ等を増やします。
イソフラボンは抗酸化物質として活性酸素を除去すると共に、体内で抗酸化物質となる酵素を増やしたり、活性化したりする効果があります。
(※1) 新陳代謝とは、古い細胞を分解し、細胞分裂で新しい細胞に入れ替えることで、組織の機能を保つ生理現象のこと。
(※2) 肌は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層の構造をしています。真皮層には肌の潤いを保つコラーゲンが存在します。
(※3) 体内に取り込んだ酸素の一部が活性酸素に変わる。増えすぎると体に悪影響を与えます。
化粧品に配合されたイソフラボンは真皮層まで到達しない
化粧品の成分は分子が大きすぎる
イソフラボンのエストロゲン様物質や抗酸化物質としての作用は、皮膚の真皮層で発揮されます。
しかし、イソフラボンをはじめ、化粧品に配合された様々な成分は、肌の真皮層まで届くことはほとんどありません。
皮膚はもともと、ウィルスや微生物の侵入から体の組織を守る器官です。
そのため、よほど分子が小さい成分でない限り、真皮層に到達しません。
化粧品に配合されるヒアルロン酸やコラーゲンも、実は分子が大きすぎて真皮層には到達しません。
しかし、保湿成分として表皮(※4)を覆い肌の乾燥を防ぐため、肌の保湿目的であれば効果があります。
(※4) 表皮、真皮、皮下組織とある皮膚の3層構造の、一番外側の層のこと。
皮膚は二重の異なる性質で守られている
表皮は「角質層」という薄い膜で覆われています。
角質層は、油に溶ける脂溶性の成分は通過させますが、水に溶ける水溶性の成分を通しません。
しかし、その下の表皮は水に溶ける水溶性の成分は通過させても、脂溶性の成分は通過させません。
イソフラボンは水溶性の性質の成分なので、角質層を通過できません。
このように、皮膚は二重の異なる性質で外部から侵入する物質をブロックしているので、化粧品に含まれる成分の大部分は、角質層までしか届きません。
化粧品の効果はイソフラボン以外の成分
イソフラボン配合の化粧品には、他にも様々な成分が配合されています。
化粧品にどのような成分が多く配合されているかは、成分表示の順番で分かります。
基本的に、配合されている量が多い成分ほど、成分表ではじめの方に表記されます。
そのため、商品名ではイソフラボンを大々的に印象づけていても、配合量では他の有効成分より少ない場合がほとんどです。
また、化粧品は多様な成分が配合されています。
そのため、実際にどの成分が効果を発揮しているのか、分からない場合が多いです。
肌や髪への美容効果は、実際はイソフラボン以外の成分と考えられます。