イソフラボンとピルは一緒に摂取していいの?
イソフラボンはピルの効果を阻害する可能性がある
イソフラボンはエストロゲンの代用として機能し、弱いエストロゲン作用と、弱い抗エストロゲン作用を併せ持っています。
エストロゲンとしては活性が弱いイソフラボンが、先に細胞内のエストロゲン受容体に結合してしまうと、ピルのエストロゲンが結合できずに反応が弱まってしまいます。
そのため、サプリメントなどで大量にイソフラボンを摂取すると、ピルの効果を阻害してしまう可能性があります。
ピルとイソフラボンサプリの併用は、自己判断せずに医師に相談をしてください。
食品に含まれるイソフラボンとピルの摂取は問題ない
イソフラボンは、大豆をはじめとしたマメ科の食品や、大豆を原料とした豆腐、納豆、味噌、醤油などにも含まれています。
そのため、日本人は欧米人に比べ日常的にイソフラボンを摂取しています。
吸収が良いアグリコン型イソフラボン(※1)に換算すると、国民一人あたり1日あたり平均で18mgのイソフラボンを摂取しています。
イソフラボンは必須栄養素ではないので、一日に必要な目安量は設けられていません。
しかし、一般にイソフラボンの効果が現れるのは、1日あたり50mgの摂取が必要と言われています。
そのため、普段の食事の範囲内でのイソフラボンの摂取は、ピルの効果を阻害するものではありません。
(※1)イソフラボンには、吸収の緩やかなグリコシド型と吸収率の高いアグリコン型の2種類があります。
詳しくはこちら>>大豆イソフラボンの種類
ピルとは
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経口避妊薬として知られるピルは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが配合されており、排卵を抑制する作用がある医薬品です。
ピルはホルモンバランスを人為的に調整できるので、避妊以外にも、月経不順や、生理痛、PMS(月経前症候群)、ニキビの緩和、多毛症の改善の治療にも用いられています。
ピルはホルモン製剤なので、服用には医師の処方が必要です。
ピルの仕組み
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生理は卵巣で生産される卵胞ホルモンのエストロゲンと、黄体ホルモンのプロゲステロンが一定の周期で入れ替わる生理作用です。
エストロゲンの分泌で卵子の成熟が完成すると、その情報が脳の視床下部に伝わり、プロゲステロンの分泌の指令が出ます。
プロゲステロンの分泌が始まると、エストロゲンの分泌は止まり、排卵が促されると共に、卵子が子宮に着床しやすいように子宮内の環境を整えます。ピルは、エストロゲンとプロゲステロンが一緒に配合されています。
そのため、排卵した時のホルモンバランスの状態を、体内に人為的に作り出します、
その結果、視床下部は排卵が完了したものと勘違いし、排卵が止まります。
イソフラボンとエストロゲンの関係
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イソフラボンは分子構造がエストロゲンと似ており、植物エストロゲンと呼ばれ、体内でエストロゲンの代用として機能します。
ただし、体内にある天然のエストロゲンと比べるとその活性は弱く、吸収率が高いと言われるアグリコン型イソフラボンで、1/1000~1/1000程度と言われています。